解題・説明
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みやこ町国分に所在する真言宗寺院・(豊前)国分寺に伝来の胎蔵界曼荼羅図で、南北朝時代の作とみられています。描写の丹念さや素材の高い制作技術等から畿内での製作が窺われると共に天台密教の儀軌に拠る胎蔵界曼荼羅としては県内最古・唯一の遺存資料とされ、みやこ町指定有形文化財(絵画)。 寺伝(豊前国金光明四天王護国院国分寺略縁起)によると、天平年間に聖武天皇の勅願により建立された当寺は戦国の兵火で全山を焼失、奇跡的に焼失を免れた什物の一つに本図があり、寛永二十(1643)年、小倉藩主・小笠原忠真が施主となって修復が行われ、以来寺宝として伝えられてきました。 平成22(2010)年には九州国立博物館でおよそ360年ぶりとなる2年がかりの大修理を行い、面目を一新して現在に至ります。
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