解題・説明
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豊前国分寺跡:天平年間に聖武天皇の勅願により建立された諸国国分寺の一つで8世紀半ばまでには主要伽藍が完成した模様。以後様々な転変を経つつ存続し、現在の伽藍は寛文年間以降整備されたもの。 三重塔:寛文年間以降進められた伽藍再興の最後に成就した建物で、明治19年から10年を掛け竣工した。 塔建立の発願は当時の住職・宮本孝梁、大工棟梁は元豊津藩御大工積役の緒方義高が務めた。 塔の法量は総高23.5mでうち相輪部分が7.43m、基礎高が0.02m、初層(1階)の規模は正面・奥行きともに7.48m、軒高3.67mとなります。塔を貫いて聳える「心柱」は1辺役60㎝で推定樹齢約200年の杉が使われています。初層幅が2・3階に比し倍近い法量を採り、類例に比べ安定感のある外形が特徴です。
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