解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】鎌田善吾(有隣斎・家正)作・書。 【年代等】享保12年(1727)5月作・刊。[大阪]渋川清右衛門(柏原屋清右衛門)板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。異称『銘作祝言状』。大本1冊。「若殿様御誕生、為御賀、従諸国被差上御腰物者…」で始まるように、ある大名の子息誕生の祝儀に献上する諸国名刀の品々を列記する形で、全国の刀剣類の産地と刀工の名称・由来などを紹介した往来物。一種の物産関係の往来物で、山城粟田口の久国小狐、京都三条の小鍛冶宗近、平安城の長吉、根本中堂の来包光を始め、北は陸奥・出羽から南は薩摩に至る各地の名刀を順々に列挙する。末尾には、後鳥羽院の時代にくじ引きで毎月の警護役が定められたことなどにも触れる。本書はまもなく『銘作祝言状』と改題されて、享保20年(1735)刊『福寿用文翰墨蔵』の頭書に収録された。 【備考】最終丁に「享保十六年」の書き入れがあり、本書が早印本と分かる。(小泉吉永 記)
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