解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】斧麿作。小池蘭水子書。永綏堂序。 【年代等】正徳6年(1716)1月作・刊。[大阪]紀伊国屋吉右衛門ほか板。 【概要】分類「往来物(産業科)」。「海上波静、道中風穏時節、求便宜、誂物之注文、并新金・古金・往古金・慶長銀・元字銀…」で始まる全編1通の商品発注書の体裁で庶民通用の語句を列挙した往来。序文には「俗に用来る文字を傍に附して看見に備ふものあり。しかれとも錯乱すくなからす。併、幼学書検の便ともならんかし」とある。収録語彙は、金銀通貨・員数(数の単位)・書籍・絹布織物・寝具・衣類・建築・家財諸道具・穀物その他食品・野菜・植物・魚類・鳥類・獣類・虫類・樹木および草花の順になっており、前後で関連を持たせながら配列し、最後に「諸国名物は数々あるが高価なものは奢りの基、安価なものは費えの基である」と戒め、「算用の狂いが生じないように心掛けよ」と諭す。また、本文の所々に漢字の別表記を小字で添える。 【備考】年代はさほど古くはないが、三次本が現存唯一の貴重本である。(小泉吉永 記)
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