解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】枕泉作。通伝寺隠居書。 【年代等】明和6年(1769)12月作。弘化4年(1847)11月書。 【概要】分類「往来物(産業科)」。「凡、雖士農工商、農民者、四民之第一、為国家之宝。農民及困窮則、譬如樹枯根…」で始まる文章で、諸職・諸商・諸芸の名称と、その中で農民こそが最も重要な職業であり国宝であること、また、農民が身に付けるべき教養や農業知識・耕作技術、農作物、農民生活上の心得などを記した往来。農民は四民第一の職業であり、農民が困窮すると万民が餓死に及び、商売も不可能になり、大名・諸役人もその本分を全うできなくなるから、農民は「四民之随一、国家之宝」であると、まずその大切さを強調する。続いて、農家子弟は幼少よりの手習い・学問・算用が不可欠であると述べ、以下、人倫・社会(地方・租税)・家庭生活・農具・気候・農耕・農業設備・田畑・農作物・家財諸道具・衣類・休耕地用産物・住居・諸行事・食物・宗教・娯楽等の語彙を掲げる。本文の所々で農民心得に触れ、再び末尾で農家主人の心得全般を説いて結ぶ。 【備考】表紙に「通伝寺蔵本」、本文末尾に「弘化四丁未初冬写之。通伝寺隠居蔵本」と記す。(小泉吉永 記)
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