解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】玉置茂八(栄長・伴直・筆華堂)書。寺沢某跋。 【年代等】元禄16年(1703)初刊。正徳5年7月再刊。[江戸]須原屋茂兵衛(千鐘房・千鐘坊)板。 【概要】分類「往来物(消息科・教訓科)」。「消息文」「筆道教訓」「詩歌」から成る玉置流手本(大字・3行・無訓)。冒頭「消息文」は、「新年祝儀状」から「献上品披露の礼状」までの17通で、献上・拝領・拝命・着任など武家公私にわたる祝儀状・礼状・報告状その他書状から成る。続く「筆道教訓」は、「入木之道多年御執心令感悦候…」で始まる長文で、著者が天和2年(1682)3月に式部卿に伝授した筆法書。「御手本一段々々御習あるべき事」「字の勢分事」「筆遣肝要たる事」「古賢筆遣事」など7カ条と後文からなり、途中で本朝の書道史にも触れる。さらに巻末に『和漢朗詠集』等からの詩歌12編を付す。なお、本書の改題本に享保(1716~35)頃刊『〈玉置〉筆海専要』、江戸中期刊『〈当用玉置〉初学要集』等がある。(小泉吉永 記)
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