解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】堀流水軒(直陳)作・書。池田松翁軒(宗次)書(「船由来記」)。 【年代等】宝永2年(1705)6月作。正徳4年(1714)3月刊([大阪]岩国屋徳兵衛(宗徳堂)原板)。江戸中期後印。[大阪]吉文字屋吉兵衛板。 【概要】分類「往来物(合本科)」。異称『〈当用〉寺子往来』。「用文章」「沽券状」「預り証」「諸請状」「寺子教訓書」「船由来記」から成る手本。『商売往来』の作者として有名な京都の書家・堀流水軒が著わした合本科往来。本書のうち「寺子教訓書」は後世に大きな影響を与え、その後これを原型として寛政元年(1789)刊『通俗教訓往来』など多くの往来が生まれた。「抑書筆之道者、人間達万用之根元也。無筆之輩者、得盲者之名、不異木石・畜類。一生之苦、老後之悔、以何可喩之哉…」と起筆して、手習い修行中の態度を中心に、日常生活に必要な行儀作法一般にも言及する。また、「船由来記」は元禄16年(1703)刊『船由来記』と同板で、この部分は池田松翁軒(宗次)筆である。(小泉吉永 記)
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