解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】寺沢政辰書。 【年代等】正徳(1711~16)頃初刊。江戸中期再刊。[江戸]奥村喜兵衛板。 【概要】分類「往来物(消息科)」。寺沢政辰の手本の1つ。本書は3つの部分からなり、(1)前半16通と(3)末尾8通が主として武家生活上の書状で、その間に、(2)女用文章6通を挟む。(1)は、「灌仏会参詣に誘う手紙」以下、暑中見舞状、端午節句祝儀状、元服祝儀状、馳走礼状等で、このうち第8状は『新撰往来』の第20状と全く同じで、同一板木を用いたものか、その被せ彫りと思われる。(2)は、新年状、婚礼祝儀状、出産祝儀状、重陽の節句祝儀状、歳暮見舞状など6通の仮名文、(3)は、奉書の新年状や阿蘭陀船入港の報告、献上品披露の礼状、参勤交代に伴う手紙など、武家公用向けの例文である。(小泉吉永 記)
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