解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】不明。 【年代等】寛文10年(1670)1月初刊([京都]小亀三左衛門(勤斎・益英)原板)。江戸前期再刊。刊行者不明。 【概要】分類「往来物(社会科)」。「毎年之定行至尓在々所々、無異心儀、行之畢」と起筆し、「弥々栄々御代末頼母敷、免伝多久謹言」と結ぶ全1通の書簡風の文章で、宮中における伝統的な年中行事とその故事来歴を記した往来。元旦(四方拝・小朝拝、若水・腹赤・氷様)、正月上の卯日(桃の枝で悪鬼を厭う)、7日(白馬節会、七草の行事)、8日(御斎会、女叙位)、9日(除目)、14日・16日(踏歌の節会)、15日(御薪)、18日(賭弓の節会)、21日(内宴)、2月上の丁日(釈奠)、4日(祈年祭)、4月1日(旬事之祭)、5月吉日(最勝講等)、6月晦日(道饗祭・鎮火祭・大祓)、7月7日(乞巧奠)、25日(相撲節会)、9月3日(御燈)、7日(不堪田奏)、9日(重陽の節句)、中の卯日(新嘗の節会)、11月辰の日(豊明の節会)、酉の日(賀茂臨時の祭礼、内侍所神楽)、12月19日(御仏名)、晦日(追儺の節会)など各月の主要行事を一通り述べる。 【備考】本書は他に旧謙堂文庫本(寛文10年板)と小泉本(江戸前期板)が伝わるが、原題簽に「禁中行事」の角書を付すものは三次本(後印本)のみである。(小泉吉永 記)
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