解題・説明
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【判型】半紙本1冊。 【作者】耕堂月邦(相沢道隆・所左衛門・不易堂・縁窓)作。鹿鳴序。 【年代等】嘉永3年(1850)4月序。嘉永3年9月刊。[信州佐久郡]不易堂ほか板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。異称『岐蘓迺道草』。京都から江戸までの中山道の駅名、沿道の名所旧跡や情景などを紹介した往来。風景や名所等の記述が詳しく、また信州で刊行された点に特色がある。「九重の花の都を旅立て墨斗(やたて)の墨は薄くとも…」と、畳字や形容句の多い七五調の文章で綴り、京都四条を出発して江戸日本橋へ向かう道中記風に、旅人の視点からの風景描写や各地伝来の故事・風俗などを織り交ぜて綴る。 【備考】本往来は信州伊那郡・佐久郡の3書肆蔵板の田舎板で、伝本は三次本・小泉本など数本のみである。また、月邦作の往来としては他に『頑悪儡状(わんぱくじょう)』がある。(小泉吉永 記)
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