解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】巻鴎洲書。 【年代等】万延2年春刊記。文久3年12月初刊。明治初年後印。[東京]山口屋藤兵衛板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。「京路(みやこじ)は、五十路あまりに三のやど、時得て咲や江戸の花、浪しづかなる品川や、頓(やが)てこえくるかはさき[川崎]の、軒端ならぶる神奈川は、はやほどがや[保土ケ谷]の程もなく、暮て戸塚にやどるらむ…」で始まる七五調・文字鎖(七五で句切った語句の末尾の音が、次の語句の第一音と重なること)の文章で、東海道五十三次の宿駅を列記した、いわゆる『東海道往来』を2行・大字・無訓で認めた手本。 【備考】万延2年刊記の他書の流用で、本書が書かれたのは文久3年で、それが初刊年代であるが、見返に「東京書肆」とあるため、明治初年の後印である。(小泉吉永 記)
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