解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】高木羽最(後雪堂)作・書。 【年代等】宝暦10年(1760)10月書・初刊。寛政(1789~1801)頃後印。[大阪]高木羽最蔵板。塩屋長兵衛(泰文堂・輻湊堂・山本春樹)売出。 【概要】分類「往来物(地理科)」。宝暦10年刊『浪華随筆』の改題本。改題に際して東俊の序文2丁を削除し、首題を改め、さらに巻末の「高木羽最」の後に「蔵板」の2字を補刻した。内容は、「交易運漕之便宜、日本無双之湊」である大坂の地理全般を述べたもので、大坂が全国貿易の中心地であること、荷揚げから取引までの様子、堂島米市場の活況ぶり、町々の商家や取扱商品、名所・名物、さらに道頓堀の歌舞伎やそのほかの享楽について触れる。また、後半に「難波十景(淡路島霞・葛城嶺桜・難波津夏月・二上嶽雪・住吉郭公・伊駒山時雨・須磨浦風・明石潟霧・天王寺鐘・田蓑島鶴)」を詠った和歌20首(各景2首ずつ)を掲げる。本文を大字・4行・無訓で記す。 【備考】書籍広告から寛政頃と推定。(小泉吉永 記)
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