解題・説明
|
【判型】大本1冊。 【作者】松浦武四郎(竹四郎・弘・多気志楼)作。 【年代等】安政3年(1856)作。元治元年(1864)頃刊。[函館]刊行者不明。 【概要】分類「往来物(地理科)」。箱館(函館)を中心とする北海道・北方領土開発の経緯、領主・松前氏の支配と箱館の盛況、蝦夷各地の物産、同地の気候や開拓の気運などを記した往来。「抑、蝦夷与申地名、有数種。内郡蝦夷与申は、従陸奥胆沢和賀郡辺以奥号之由…」と筆を起こし、まず「蝦夷」の名称や函館が「渡嶋(おしま)蝦夷」と称すること、斉明天皇の時代から近年までの蝦夷地開発、松前・江刺・箱館等の沿革、箱館の諸役人・諸職人・諸商人などを略述した後で、道内の物産を詳しく紹介する。また、蝦夷地の通行改めや異民族との交易にも触れる。本文を大字・6行・無訓で記す。また、見返にアイヌ風俗図を掲げる。(小泉吉永 記)
|