解題・説明
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【判型】半紙本1冊。 【作者】小川保麿(安麿・玉水亭・小川屋辰蔵)作。堀原甫(赤鯉亭)序。西川竜章堂書。春翠斎祐春(西川祐春か)画。 【年代等】天保4年(1833)10月作(官許)。嘉永6年(1853)9月刊。[京都]丸屋善兵衛(瑞錦堂・山中善兵衛)ほか板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。主として本陣・旅宿の子供の教育向けに、道路交通に関する常用語を綴った往来。「夫、道中筋、駅路泊宿、本陣、問屋、役人、宿場、年寄、馬借、月行事等、日夜不致油断、諸事廻深慮、麁略無之様叮嚀第一也…」と起筆して、東海道中の状況、旅行用具、旅宿の注意等、旅行に関する注意を詳細に記す。本文を大字・4行・付訓の手本様に記し、本文中に挿絵2葉を掲げるほか、巻頭に「三都諸方行程附(みちのりづけ)」、巻末に「大日本国尽」を収める。なお、序文に代えて「菅公肖像」などの色刷り口絵を付した後印本もある。 【備考】刊記に「天保四年己十月官許」と記すが、刊行年代と20年も離れており、既に死去していた竜章堂の遺筆を何かの事情で後年に刊行したものであろう。(小泉吉永 記)
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