解題・説明
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【判型】中本1冊。 【作者】晋米斎玉粒作・書。 【年代等】文政6年(1823)1月刊。[江戸]西村屋与八(永寿堂)板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。十返舎一九作『〈大山廻〉富士詣』の本文を部分的に改編し、頭書に若干の増補を行った改訂版。冒頭に駿河国の名称の起源に触れ、前半でもっぱら富士山の由来や霊験について詳述する。富士山出現の伝説や役行者(えんのぎょうじゃ)が初めて登山したことなどを述べる。また、富士登山口等について説く部分は『〈大山廻〉富士詣』とほぼ同文だが、参詣路や道中については大幅に割愛し、その代わりに頭書に「富士詣道しるべ」「不二山眺望名所案内」「不二山の異名」「富士山景物」等の記事を補う。「抑東海道駿河国は『旧事記』には珠流河とも、また、洲流河とも書り…」で始まり、「…帰路は甲州街道に出て、八王子、府中六所抔巡拝し、道路の遊観限りあるべからず。此書唯富士の来由を記すを要とす。穴賢々々」と結ぶ本文を大字・5行・付訓で記す。 【備考】巻頭に1丁半にわたって富士山眺望図を掲げる。(小泉吉永 記)
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