解題・説明
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【判型】中本1冊。 【作者】滕耕徳書。 【年代等】享和元年(1801)頃初刊([江戸]花屋久治郎板)。江戸後期後印。刊行者不明(刊記欠)。 【概要】分類「往来物(地理科)」。江戸・日本橋より成田に至る沿道の宿駅・名所旧跡・神社仏閣および成田山新勝寺の景趣・縁起等を記した往来。「下総国埴生郡成田山参詣之道筋、任御尋、順路荒増認進候…」で始まる全文一通の手紙文で綴る。各地の情景や風物を豊富に織り込みながら、日本橋など東都の繁栄、利根川・真間中山・印旛浦の眺望、成田山の景観などを紹介する。本文を大字・5行・付訓で記す。頭書(冒頭1丁半のみ)には「楠正成金剛山居間之壁書」を掲げる。 【備考】底本は原題簽と見返を欠く。初板本の原題簽は「〈頭書絵入〉成田詣文章」で、見返にも「成田詣文章」と記すほか、見返には「不動尊略伝記」を載せる。また、底本の末尾1丁の柱に「ツクバ」とあるのは、0306「筑波詣」の一部が誤って綴じられたものであろう。なお、文政4年(1821)求板本(山本平吉板)では、裏表紙見返に「成田山参詣順路図」を掲げる。(小泉吉永 記)
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