解題・説明
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【判型】中本1冊。 【作者】朝輝斎千春作。常英斎画。 【年代等】寛政10年(1799)書・初刊。文政4年8月再刊。[江戸]山口屋藤兵衛板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。異称『〈新編〉王子詣』。「兼而御咄申候王子詣之事、来る幾日は幸ひ初午にて候侭、此日思召被為立候半哉…」で始まる全1通の手紙文で、江戸・神田から王子権現に至る沿道の名所旧跡・神社仏閣、また王子権現の縁起・景趣等を記した往来。下谷の不忍池(しのばずのいけ)・弁財天、上野東叡山、谷中・感応寺、日暮里・養福寺、護国稲荷、白髭神社、西ヶ原・御殿山などを経て飛鳥山に出て、王子権現・別当金輪寺・王子稲荷・滝野川・岩窟弁財天を廻り、さらに駒込富士権現・目赤不動尊・本郷へと抜けるコースを順々に紹介する。本文を大字・5行・付訓で記す。巻頭口絵に「王子稲荷社前之風景」を掲げ、頭書に「七福神詣」「西国三十三所写(江戸上野ヨリ王子・駒込辺ニ限ル)」「諸国名物集」、巻末に「江戸桜の名所」を載せる。 【備考】本書には、底本のような原題簽のほかに「新編王子詣〈頭書七福神詣〉」という原題簽を貼ったものもある。また、寛政10年初板本の板元は、[江戸]花屋久治郎板である。(小泉吉永 記)
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