解題・説明
|
【判型】大本2巻2冊。 【作者】不明。 【年代等】天和3年(1683)刊。[京都]菱屋宗八板(後印)。 【概要】分類「往来物(社会科)」。本来は2巻本で、上巻に寛文3年(1663)8月の『武家御式目』を、下巻に天和2年5月の『御高札式目』を収録するが、底本は上巻のみで下巻を欠く。上巻は、武士が守るべき条々(23カ条)で、第一条「一、忠孝をはげまし、礼法をたゞし、常に文道・武芸を心掛、義理を専にし、風俗を乱べからざる事」で始まる本文を大字・6行・付訓で記す。第1条「武士心得(忠孝・礼・文武両道・義理・身なり等)」、第2条「軍役従事」、第3条「兵具」、第4条「嫁娶儀式」、第5条「跡目・養子」、第6条「嫁娶・養子」、第7条「屋作り」、第8条「振舞の膳」、第9条「音信の礼儀」、第10条「諍論等」、第11条「百姓訴論」、第12条「知行所務」、第13条「新地寺社建立」、第14条「死罪執行」、第15条「喧嘩・口論」、第16条「城中での喧嘩・口論」、第17条「火事への対応」、第18条「本主(領主)の支障ほか緊急時の対応」、第19条「大犯人の扱い」、第20条「徒党その他武士に不適切な所業」、第21条「徒(かち)・若党の衣装」、第22条「物頭・諸役人心得」、第23条「家業出精」までを列挙し、後文で「先例之旨に依って之を損益し、今度之を定め畢(おわんぬ)。堅く之を相守るべし…」と結ぶ。 【備考】天和3年板(小泉本)の原題簽には「〈武家〉天和御式目」とあって、上巻首題が「武家御式目」、下巻首題が「御高札式目」となっており、刊記には本文とは別筆で「天和三癸亥歳三月吉日」と刊年のみを記し、板元名はない。(小泉吉永 記)
|