解題・説明
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【判型】半紙本1冊。 【作者】西川竜章堂(西川正造)作・書。 【年代等】文政11年(1828)初刊。江戸後期再刊。[大阪]河内屋平七(後印)。 【概要】分類「往来物(産業科)」。本屋の子弟や奉公人の教育用に編まれた特殊用途の往来物。『商売往来』と同様のスタイルで「書林用字」、すなわち書物の外題、あるいは角書、また書誌的用語、注解本の題名、特定分野の書名などを1通り列挙する。本に関する最小限の語彙と書名の持つ特色などを簡潔に綴る。「凡、書林取扱文字雖多、先、外題用字有増、初学・童蒙・道しるべ・指南・稽古・手引草・秘伝・集要・調法記・掌中・一覧・袖中抄・問答・早考・決疑抄・四声・便覧・或問・捷径・初心抄・古今筆記・極秘・口決・便蒙…」で始まる本文を大字・4行・付訓で記す。また巻末に「十干十二支」「月の異名」を掲げる。巻末に『源氏物語』諸本の広告、裏表紙見返に「十二支」「十幹図」「十二月異名」を載せる。 【備考】『享保以後大阪出版書籍目録』によれば、本書の文政11年初刊で作者の西川正造(竜章堂)蔵板、[大阪]塩屋喜助売出という。なお、本書([大阪]高橋興文堂板)の復刻が、大正11年(1922)3月に東京神田の伊勢屋辰五郎(菊寿堂)から刊行されている。(小泉吉永 記)
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