解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】星埜喜一書。 【年代等】天保8年(1837)10月書。 【概要】分類「往来物(地理科)」。七五調で紀州地方の地名と名物(特に魚介類・食物・山菜類など)を綴った往来。「抑当国三方は平地を闕故、海辺の類多し。先、若山の湊浦には筋鰹(すじがつお)…」で始まり、以下、松江の蛤・加太(かだ)の若布(わかめ)・雑賀崎(さいかざき)浦の鯛など各種海産物の産地をあげ、続いて、那智の黒石・熊野の白蜜・玉置の檜杖・保田の紙葛・有田山の蜜柑など山間部の産物に移り、山菜・野菜等を列記し、さらに名酒・薬種・細工物など市中の名産品をあげ、饅頭を土産に子供の待つ自宅へ足早に帰るという一文で終わる。なお、本書末尾を改編したものに安政4年(1857)書『紀州名物』(東京大学蔵)がある。(小泉吉永 記)
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