解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】臥雲和尚(胡盧坊臥雲)作。常岳書。 【年代等】江戸後期(嘉永5年(1852)以前)書。 【概要】分類「往来物(産業科)」。四民における農民の重要さから農耕技術、副業、農民倫理までを述べた往来。「世に民の数四有。士は忠(まめやか)に君に事(つか)へ、武に文を兼て、治国平天下を旨とす…」のように、武士・商人・職人の順に役割を述べ、また農民出身の豊臣秀吉の例を挙げながら、工・商に比べて農業は誇るべき職業であり、その「為(わざ)」は賤しいが「姓」は尊いものであると説く。続いて、四季耕作・作物のあらましを詳述し、さらに、水旱・救荒・地方等の農事関連の知識や農閑期の作業の数々を列記する。 【備考】現存最古本は文化8年(1811)写本(小泉本)。三次本には「かせぎわうらい」とルビを付し、「嘉永五壬子閏二月」に加筆した旨を末尾に記す。(小泉吉永 記)
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