解題・説明
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【判型】中本1冊。 【作者】雪江斎作。 【年代等】天明5年(1785)8月初刊。文化7年(1810)6月求板。[江戸]鶴屋金助(雙鶴堂)板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。「九重の、花をひとへに思ひ立、旅の衣や道芝の、霞関を越路よる、天とぶ雁と打つれて、みちは千里(ちさと)に五十(いそじ)あまり、三ある駅(うまや)馬借て、足なみ勇む板橋の、置(おく)より消(け)なく露霜に…」で始まる七五調の文章で、中山道の宿駅を紹介した往来。本文を大字・5行・付訓で記す。巻頭に「木曽の棧図」、頭書に「大日本国尽」「五性名頭字」「七夕祭の由来并和歌」「月之異名尽」を掲げる。 【備考】本往来の最古本は、雪江斎(雪江・凡鳥亭)作、明和4年(1767)作・書、天明2年(1782)跋・刊『木曽街道往来』([江戸]大和田安兵衛板)であるが、広範に流布したのは本書の如き天明5年板系統で、本書以後、付録記事などを改めた『〈中仙道〉都路往来』(江戸・和泉屋市兵衛板)など江戸後期まで類書が数本刊行された。(小泉吉永 記)
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