解題・説明
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【判型】大本2巻2冊。 【作者】居初津奈作・書・画。 【年代等】元禄8年(1695)3月初刊。江戸中期後印。[京都]銭屋庄兵衛板。 【概要】分類「往来物(女子用)」。近世流布本『女実語教(女童子教)』の初板本で、上巻『女実語教』、下巻『女童子教』から成る。本書以降、『女教訓嚢(女実語教嚢)』『女実語教宝箱』『女実語教千代鏡』『女実語教姫鏡』『女実語教操鏡』『女実語教操種』『女実語教操稚』など約30種の板種が生まれた。『女実語教』は「一、品勝たるが故に貴からず。心正しきを以てよしとす」で始まる47カ条、『女童子教』は「一、夫、上つかたの御前には恭有て、立事をせざれ」から始まる128カ条の条々(合計175カ条)で、容姿よりも女性の心持ちの大切さを諭し、そのほか忠孝・礼節など諸般の教訓を説く。初板本は大字・4行・付訓の並べ書きで認めた女筆手本で、本文の随所に津奈自画の挿絵を掲げる。沢田吉作、元禄13年刊『女今川』と同様に女性自身の著作であり、いずれも広範に流布した点で注目される。 【備考】本書の初板本は[京都]文台屋治郎兵衛板で、底本はその後印本(江戸中期頃)。(小泉吉永 記)
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