解題・説明
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【判型】中本1冊。 【作者】高井蘭山(伴寛)校。 【年代等】文化9年(1812)6月初刊([江戸]花屋久治郎(星運堂)板)。江戸後期再刊。[江戸]鶴屋金助(双鶴堂)板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。江戸日本橋より安房小湊(千葉県小湊町)・誕生寺に至り、再び江戸へ戻るコースで、誕生寺を始めとする沿道の宿駅・名所旧跡・神社仏閣の景趣や縁起を記した往来。「小湊誕生寺の順路は、日本橋・千住・葛西・新宿(にいじゅく)より八幡を本道とすれども、手軽の旅行には小網町より船にて総州行徳より上り…」と書き始め、船橋人丸神社・検見川浅間神社・寒川弁財天・不動ヶ滝・小田喜川等の寺社・山川等を紹介し、続いて、日蓮生誕地に建立された誕生寺の由来や結構、また周辺の寺社や帰路沿道の名所に言及する(ただし、袖ヶ浦から八幡中山辺については『真間中山詣』に記したため省略すると断る)。参詣地と参詣路の双方をおしなべて記述するのが特徴。本文を大字・5行・付訓で記す。巻頭に「房州小湊誕生寺の図」、巻末に「小湊参詣道法」を載せる。 【備考】本書の初刊は花屋板で、底本はその再板本。なお『真間中山詣』は本館に架蔵する(0304「真間中山詣」)。(小泉吉永 記)
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