実際使用例

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方  言 意  味 音 声
例1 ああに、そうじゃねえ。あにすんだよう。弱い者いじめじゃねえか。 いやちがう。なにをするんですか。弱い者いじめじゃないか。 声1
例2 あかっこをうぶって日なたにいんと、あつけをすんど。あがらっしええよ。 赤んぼうをおぶって日なたにいると、暑気あたりになるぞ。お上がんなさいよ。
例3 いかに馬鹿だってあくせいしたよ。 まったくあの馬鹿にはあきれかえったよ。
例4 あんべえが悪いちゅう話だが、あじょうにももちなおしてくろうばいいが。 身体のかげんが悪いという話だが、なんとかしてもちなおしてくれればよいが。
例5 あにがよ、両方ともそらっことよ。 いや、そうじゃないぜ、両方ともうそだ。
例6 あにこく、おらあほうがいじめられてんくれえだ。 なにをいうか、こっちがいじめられてるくらいだ。 声2
例7 あんしあげえてんのはおめえの方だんべえ。 そうじゃない、欲ばっているのはお前の方ではないか。
例8 一日さんげえ うんねてけつかるのを知っていながら、そこにいてえて、おこりもしねえのだから 一日中ふてねをしているのを知りながら、そこにいるくせに、叱りもしないのだから。
例9 栗がいっぺええんでんべえから、いってんべえや。 栗が沢山熟れているだろうから、行ってみようや。 声3
例10 箱根のうりてやにゃあいろいんぎょうのものがかざってあるど。 箱根ケ崎の商店にはいろいろなものがかざってあるよ。
例11 うすら寒くなったなあ。うでっこき体操でもすりゃァ、ぬくとまんべえ。 少し寒くなったなあ。カいっぱい体操でもすれば暖まるだろう。 声4
例12 えらある中だからわかりやしなかんべえ。えべすをとっとくべえ。 たくさんの中だから からないだろう。少しくすねておこう。
例13 おこじょう(こじょうはん)にすんべえ。おとこしはおおまくれえだから、お茶ぞっぺえはふんだにつけとくべえ。 3時のおやつにしよう。男衆は大飯食いだから、お茶受けはたっぷりとつけておこう。 声5
例14 おりこみをすべえと思ったけんど鎌を忘れちまった。手でずええをおっぴしょるわけにゃいかねえし困ったもんだ。 桑枝の切り取りをしようと思ったが鎌を忘れてしまった。手で枝を折るわけにはいかないし、困ったものだ。 声6
例15 おへだらべえゆって、おへんなしだと思ってたけんど、おぞいところもあんだあなあ。 冗談ばかりいって、変り者だとは思っていたが悪賢いところもあるんだなあ。 声7-1
おへんだらべえゆって、おへんなしだと思ってたけんど、おぜえところもあんだあなあ。 声7-2
例16 おれえらは、おんなしのところへ、おんかで夜遊びに行ったものだが、娘の親父におっとばされたやつもいた。 俺達は女衆のところへ公然と夜遊びに行ったものだが、中には娘の父親に追い払われた者もいた
例17 かくねっこかずけてよそんちへへえりやがってふてえやつだ。 かくれんぼにことよせて他人の家に入りやがってわるいやつだ。 声8
例18 きしゃごをやんべえ、きっきっき、はさみの勝ち、おれから始めんど。 おはじきをやりましょう。じゃんけんぽん、はさみで勝った、わたしから始めるよ。
例19 まあだきねえかえ。ああ、きさしった。 まだ、こないかね。ああ、おいでになった。
例20 そんなにくげんかよ。くちめきじゃあるめえか。苦え薬だけんど、しっかりくん飲んで くらっしええ そんなに気分がすぐれないのかね。百日咳ではないだろうか。苦い薬だけれど、しっかり飲み込んで下さい。 声9
例21 手打ちうどんを作ったから、くちよごしだけんど持ってきた。 手打ちうどんを作ったので、ほんの少しばかりだけれど持ってきました。
例22 くわでんぼうでくねをゆいてえなんて、ぐでなしこくじゃあねえ。げえもねえ 桑の枝で垣根をつくりたいなんて、くだらないことをいうな。無駄なことだ。
例23 けえこあがりにゃ、きしゃごでもあんでも、買ってやんど。 蚕が上簇すれば(お金が入るから)おはじきでも何でも買ってやる。 声10
例24 けえがちに味噌をつめて弁当のおかずに持って行かせるたあ、いかにけけしいってよお。 貝殻に味噌つめて弁当のおかずに持たせてやるとは、なんと勘定高いことよ。
例25 早くこうばいいだけんど、あのしゃかんやは、仕事がこずんでんから、今月中は無理だんべえ。 早くくればいいのだけれど、あの左官屋は仕事のスケジュールが詰まってるから今月中は無理だろう。 声11
例26 少しこずをかくとふっくらとたけるで。 少し水を入れるとふっくらとたけるよ。
例27 さつまをふかすにはそんな燃し方じゃあだめだ、こぜえちまあど。 さつまいもをふかすにはそんな燃し方ではだめだ、かたくて食い物にならなくなるぞ。
例28 こっぺえこくな。 こなまいきなことをいうな。
例29 これっちんべえの金で、こんなにサービスされちゃあ、こてえされねえ これっぽちの金でこんなにサービスされちゃあ、最高の満足よ。 声12-1
これっちんべえの金で、こんなにサービスされちゃあ、こてえらんねえ 声12-2
例30 この子は母ちゃんこびつきだから、いくつになっても、こべえていてしょうがねえ。 この子は母ちゃん子の甘えん坊なので、いくつになっても恥ずかしがりやでしょうがない。
例31 六道の畑はさかっちょになってんから、ざあるを転がさねえようにきいつけさっしええ 六道の畑は坂になっているから、ざるを転がさないように気をつけてください。 声13
例32 借金はしほうでえ、うちん中はひっちらかしほうでえ、ささらほうさらよ。 借金はしほうだい、家の中はちらかしほうだい、もう、めちゃくちゃだ。 声14
例33 しんやのさくでえは、さばじゅう奉行してあるいたから、ふんとにさくいなあ。 分家の作男は方々中奉行してきたのでほんとうに気さくだねえ。
例34 柿のしっぺたしゃっつけたら、びっくりして足がしゃっきりばっちゃった 柿のへたを顔に投げつけたら、びっくりして足が硬直してあるけなくなった。 声15
例35 しめえっ子で甘えたれかしとくから、すぐじぶくれやがる。しょうじんしゃっつら憎いがきよ。 末っ子で甘やかしておくから、すぐふきげんな顔をしやがる。まったくいまいましい子供だ。 声16
例36 じんがらの隣りに、すいふろがあって、すまっこゆるりがあって、あんだかすっかまあねえうちのようだった。 足踏みの精穀用具の隣りに、風呂桶があって、隅にいろりがあって、なんだか気にしないうちのようだった。
例37 樽の口の水つき畑のさつまを、ももったねまでずっこみながら掘ったけんど、それがまたすじっぽだらけで食えたもんじゃねえや。 樽の口の冠水した畑のさつまいもを、太股の方までのめりこませながら掘ったが、それがまた、すじばっかりで食べられたもんじゃあないよ。 声17
例38 せえて喰うもんもねえから今夜はずりだしにすんか。うん、そうしろばいいや。 おかずもないことだから、今夜は生醤油で食べるうどん鍋にしようか。うん、そうすればいいや。 声18
例39 あのうちを建てるためにずいぶんせぐっつうしたあだとよう。 あの家を建てるためにずいぶんいろいろの策をろうしたのだそうだ。
例40 そらっぷいてんとためへおっこちんど。 わきみをしていると肥だめに落ちるぞ。 声19
例41 今年はけえこがちげえで、たれっこがでちまったから、ちっとんべえしかとれなかった。 今年は蚕が病気になってしまって、うみ蚕がでてしまったから、繭は少ししか取れなかった。 声20-1
今年はけえこがちげえで、たれっこがでちまったから、ちっとれえしかとれなかった。 声20-2
例42 どおりで寒いと思った。あんなにたっぺが立っていらあ。 なるほど寒いと思った。あんなに霜柱が立っているね。
例43 ちっちっち、たんま、ちょうつばに行ってくんから。 じゃんけんぽん、ああ、ちょっと待って、便所に行ってくるから。 声21
例44 こたつにべえつぐなっていて、あにもこかねえ。 こたつにばかりちぢこまっていて、何もしない。
例45 もう半月べえ、つぶしているからあと一週間ぐれえで、はやけべえ。 これで半月も鶏が卵を抱いているから、あと一週間もしたら、ひながかえるだろう。
例46 増産のこつは、つくてをこふんだにつかうことだ。 増産のこつは堆肥をたっぷりつかうことだ。
例47 でえどころつぶ足で立って、ひゃっこかんべえに。それにしてもでかばちい足だぁなあ。 土間に素足で立って冷たいだろうに、それにしても大きい足だなあ。 声22
例48 花火が上ったど。ほれ、てんじくからてんりゅうがおちてくらあ。 花火が上ったぞ ほら、空から落下傘が落ちてくるよ。
例49 てんでんこてんこもりにして食ってくらっしええ。 めいめい大盛りにして食べて下さい。 声23
例50 団子を作るにゃあ、よくでっちねえと、のめっこいのができねえど。 団子を作るには、よく捏ねないとなめらかなのができないよ。 声24
例51 あらしでひとっきりどのうしたが、ねっかじんで手入れがよかったから、また、ほきてきたなあ。 台風で、一時成長が止ったが、熱心な人でよく手入れをしたから、また、葉が茂ってきたなあ。
例52 どうで、そうなりゃ、とりっかちこんよ。 どうせ、そうなりゃ、早い者がちよ。
例53 なれええで一緒になったくせに、三年もたたねえに、もう、なりっこだから。 恋愛結婚で一緒になったくせに、三年もたたないうちに、もう、どなりっこだから。
例54 はなを袖へなすりつつけるじゃあねえ。 鼻汁を袖に塗りつけてはいけない。
例55 ねえたらくんべえでどうしようもねえ奴だ。なっとばさなくちゃあ動かなかんべ。 怠け者でどうしようもない奴だ。どなりつけなきゃ動かないだろう。 声25
例56 はあ終ったのかい。はかがいったじゃあねえか。 もう終ったのかい。はかどったじゃあないか。
例57 ひがなさんげえ はたしにかじりついてえて、よくあきねえな。 一日中機織機にかじりついていて、よくあきないね。
例58 ひだるい、ひだるいってゆってんから、帯ひっといて、腹さんざ喰わしてやらっしええ。 ひもじい、ひもじいといっているから、帯を解いて腹いっぱい食べさせてあげなさい。 声26
例59 梅干しでも味噌でもひねの方が味がいい。 梅干しでも味噌でも古い方が味がよい。
例60 ほしが抜けて一升べえひょうぐりだしちゃった。 栓が抜けて一升ばかり、ほとばしり出てしまった。
例61 ぶっつぁりこんで、へだらべえゆってんだぁから、おらがじゃあ。 座り込んでくだらないこと(冗談)ばかり言ってるのだから、うちのひとは。 声27
例62 ほんのひっちょっかんごでさあ。 キリギリスのかごのようなあばら家です。
例63 ふんごまっしええ。 囲炉裏に足をふみこんで、あたりなさい。
例64 うなったべえの畑をふんどおすんじゃねえ。 耕したばかりの畑を踏み荒らすんじゃないよ。 声28
例65 へだら こくと、しょうちしねえど。 くだらないことを言うと承知しないぞ。 声29
例66 松茸もほうけかしちゃあほうがねえものよ、ほきだしたくならあ。あの娘もああ、ほうけかししゃあ貰い手もあんめえ。 松茸も適期を過ぎてしまってはしょうがないものさ。口から吐きだしたくなるぜ。あの娘もあんなに、年をとらせてしまっては嫁に貰ってくれる者もいないだろう。
例67 よくほきてるから、まるきでがある。 よく育っているから、束ねでがある。
例68 うちぽっこしじゃあほだつべえ。 家こわしではほこりがたつだろう。
例69 ぽっとしてほしがかつてなかったかもしれない。 もしかして栓をしてなかったかもしれない。
例70 まにゃあずべえゆってねえで、まっと みいしみてやれ 冗談ばかり言っていないで、もっと真面目にやれ。 声30
例71 ひきわりはつぶめしより、むせえや。 玄麦をひき割ったご飯は押麦のご飯と比べて、なかなか減らないで食べでがある。
例72 めっぽうげえもねえ強え奴に、めえったかというほどぶん殴られて、めえましいったらありゃしねえ。 はてもなく強い奴に、これっきりというほど殴られて、いまいましいったらありゃあしねえ。 声31
例73 ろくさっぽう乾いてねえのに、むっつけべえとしたって、いくらむいからでも、むえねえよ。 ろくに(ろくすっぽ)乾いてないのに、燃しつけようとしても、たとえ麦わらでも、燃えないよ。 声32
例74 やんだんじいにしちゃあ、もおく、あっけなかったよ。 わからずやの割りに、案外、あっけなかったね。
例75 ようめし食ったら、一緒にやばねえか 夕飯を食べたら、一緒に行ってみないか(一緒に来ないか)。 声33
例76 ゆるりで松っぱを燃すもんだから、ゆぶくてたまらねえ。 いろりで松の葉を燃すので、けむくてたまらない。
例77 わざっと意地悪すんから仕返しされんだ。めちいや 故意に意地悪をするから仕返しされるんだ。いい気味だ。 声34
例78 これはわざっとお祝いのまねっことですが。 これはほんの心ばかりのお祝いのしるしですが。
例79 このさつまは、わりいとこをところまんざら取って煮ろば、どうにか食えんど。 この甘藷は、悪い所をところどころ取って煮れば、何とか食べられるよ。
例80 種がたんなけりゃあ、おらがにあんからよう。 種が足りなければ、私の家にありますからね。
例81 仕事をよくやってんかや。怠けんじゃあねえとゆっといてくんろい。 仕事をよくやってますか。怠けるではないといっておいてください。
例82 明日はうちにいんから、くんなら明日にすんといいや。 明日は家に居るから、来るならば明日にしたらいいと。
例83 俺がすんから、年寄は骨を折んねえで、見てんといいや。 俺がするから、老人は骨折りをしないで、見ているといいよ。
例84 とんなよ、とんとおこられるど。 取るなよ、取ると怒られるぞ。
例85 もうねんのか、あんまり早くねんと明日は雨がふんど。 もう寝るのか、あまり早く寝ると明日は雨が降るぞ。
例86 わけいしがまたよんから、ようめしが終えたら早く片付けろ。 若い衆がまた寄るから、夕飯が終わったら早く片付けなさい。