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解説
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南条遺跡は、長野盆地東部の若穂綿内地区にある古墳時代前期から中世にいたる集落遺跡です。千曲川右岸の自然堤防上に立地し、同一地形上にある周辺の遺跡とともに綿内遺跡群を構成しています。綿内北トラックターミナルの建設に先立ち、平成8(1996)年から平成10(1998)年まで、遺跡範囲の北端部にあたる10,100㎡を対象に発掘調査が実施されました。 確認された主な遺構は、古墳時代の竪穴住居跡1軒・土坑1基・溝跡1条、奈良時代の竪穴住居跡1軒、平安時代前期の竪穴住居跡127軒・掘立柱建物跡15棟・井戸跡13基、中世の大溝3条で、平安時代前期が主体を占めています。 平安時代前期の井戸の構造は、素掘り・石組み・丸太刳り抜きなどさまざまな種類が見られ、また濾過装置にも曲物を利用したものと砂を敷き詰めたものがあります。内部からは挽物皿、曲物、櫛などの木製品が多数出土しており、それらの中には刻書や焼印が認められるものがありました。当時の井戸祭祀の様相を知る上で貴重な資料といえるでしょう。
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