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解説
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若穂保科の片山遺跡から出土した、人体が表現された特殊な土器です。 口縁が傾斜した深鉢形の土器を前後から押しつぶしたような形状で、高く広い側の胴部上半に人面、人面の左右の口縁部に両手を作り出しています。右手の先端が欠損していますが、そのほかの部位は完存しており、最大高20cm、幅14.5cm、奥行12.9cmを測ります。 人面は、目・口がくり抜き、眉・鼻・耳は隆起もしくは粘土貼り付けで表現されています。目じりと口元はわずかに上がり、微笑みを浮かべた表情にもみえます。耳は、目から口まで大きく杓子状にそばだち、耳朶に小さな円孔が開けられています。両手は、耳の裏側の口縁部から内湾しながら上方へ短く伸びています。 粘土紐の輪積みにより成形され、帯状の接合痕が内面に観察されます。調整は、外面が部分的なミガキ、内面がヘラ削りで、全体に赤色塗彩が施されます。底面には籾痕が1か所認められます。 一緒に出土した小型壺2点・壺3点・高杯6点・器台1点とともに、祭祀で用いられた土器と考えられています。 なお、写真は長野市立博物館に展示されている模造品であり、実物は國學院大學博物館に展示されています。
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