要約
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和田東山3号墳は、長野盆地のほぼ中央部の東側の丘陵上に立地する前方後円墳3基・円墳2基からなる古墳群の中央に位置する墳丘全長45.2mの前方後円墳である。1984年に新たに発見された古墳群で、3号墳は未盗掘であり、墳丘の形態と構築法、墓壙と竪穴式石室の構築方法、各種副葬品の種類と配置、埋葬終了後の墓壙上部での葬送儀礼に伴う土器群の検出など、当地域における前期古墳の実態を理解する上で重要である。長野盆地では、全長30~60m台の前方後円墳・前方後方墳は北部・中央部(東西)・南部の3地域に分布するが、南部だけに全長90~100mの規模と豊富な副葬品をもつ森将軍塚・川柳将軍塚古墳があり、古墳時代前期の長野盆地における地域社会構造の反映と考えられる。
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