要約
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安茂里遺跡群大門遺跡は、長野市街地西方の裾花川扇状地に立地する。安茂里地区では古く から遺物の出土が伝えられ、濃密な遺跡分布が予想されてきたが、比較的早い時期に宅地開 発が進行したこともあり、発掘調査の実施例は少なかった。正式な形での発掘調査報告として は、本件が2例目となり、遺跡群の構造を知るうえでの具体的な手掛かりとなる。 竪穴住居等の密集状況から、奈良時代及び平安時代の集落遺跡として位置づけることができ るが、縄文中期・弥生後期に属する遺構・遺物も確認され、縄文時代以降から長期間にわたっ て営まれてきた複合遺跡である点も見逃せない。 駒沢城跡は、浅川扇状地の末端付近に位置する。今回の調査ならびに周辺の調査成果も踏ま えると、堀で隔てられた短辺30m、長辺60m前後の長方形屋敷群を伴う居館跡である可能性が 高まってきた。堀が機能していた時期は出土遺物から16世紀前半代と想定される。
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