要約
|
遺跡は裾花川河岸段丘上にあり、同一段丘上に展開する弥生時代中期後半の集落との関係が窺える。中世では13世紀から15世紀にかけて、善光寺表参道に伴う溝跡と密集する小穴群が検出され、門前町南部の広がりを確認することができた。近世前期には井戸跡とみられる土坑1基を検出し、該期の門前町における希少な遺構となった。町家裏手には長さ約4.6m、幅約2.7mの地下室跡が構築されているが、19世紀初頭には廃絶され、廃棄された多量の陶磁器・木製品などの遺物群により、町人層の遺物組成などの情報を得た。中近世の遺構分布状況からは門前町の町家敷地の利用形態を看取することができた。
|