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解説
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七二会瀬脇地区は古くから観音信仰の盛んなところで、土地の伝えによると、以前の観音像が明治期に焼失したため、本像を大阪から迎え、大正3年に現在地に遷座したと言われている。 本像は檜材の寄木造りで、像高は162cmある。頭部は正面中央で左右を矧(は)ぎ付け、また、耳の後ろと後頭部で縦に矧ぎ、首ほぞを作って体部につないでいる。胴部も正面・背面とも中央で縦矧ぎにし、両肩・両ひじ・手首・足先を矧ぐ。 上方にやや開いた天冠台は美しく、低めの垂髪はまばら彫りとし、髪際は一文字でやさしい顔である。 また、上体の肉取りもおとなしく、ゆったりとした三道(首のすじ)や肩から腕にかけての曲線が自然で美しい。 全体によくまとまった像で、長めの腰下につけた裳の、折り返しの衣文(えもん)のたたみ方など手際よく左右均整に整えており、優れた技法が見られる。平安時代末期の美作である。
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