|
解説
|
観音寺は寺の創始は明らかでないが、この地方に栄えた平林氏が応仁・文明(1467~)ごろ開いたという。 観音像は、耐火耐震の収蔵庫内に安置されている。造像の年代は寺の創始よりはるかにさかのぼり、藤原時代前期から中期ごろのもので、県内最古の木造彫刻である西条清水寺の諸像に次ぐ古像である。 一木造りで、像高154㎝。肉身は金泥塗り、条帛(じょうはく)と裳は朱で彩色している。頂上にはもとの髻(もとどり)(髪を頭上で束ねたところ)を削って化仏(けぶつ)を植え付け、彫眼だった目も玉眼に替えるなど手直しし、天衣の一部も補っているが、他は当初のままである。条帛や裳の正面中央に渦文をあらわしており、衣文(えもん)には翻波(ほんぱ)がはっきり見られる。 全体にあまり抑揚がなく、上から下までほとんど同じ太さであるのは一木造りの立像という制約によるものである。 地方作の色が濃く、県内古像の右翼に列せられる。
|