解説
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この経蔵は、8.5m四方の切石積み基壇上の礎石の上に柱を立てた、方5間の宝形(①ほうぎょう)造りの建築物である。高さ13.5m、屋根の四方はそれぞれ11.5m。 柱と柱の間には地長押(②じなげし)、腰(こし)長押、飛(ひ)長押、拳鼻(③こぶしばな)付き頭貫(かしらぬき)を通し、柱上に組物をおく。隅垂木を入れ、屋根は檜皮葺(ひわだぶき)で、上に露盤を載せ宝珠(ほうじゅ)を立てている。内部は石敷きにし、中央に八角の輪蔵をおく。 宝暦4年(1754)に建築を始め、同9年(1759)に落成した。一切経(④いっさいきょう)を納めてある。
注①宝形(ほうぎょう)造り・・・屋根の形でピラミッドのように隅棟(すみむね)が屋根の頂上一点に集まる。 注②地長押(じなげし)・・・・長押は柱と柱との間に渡して釘(くぎ)で打ちつける横材。地に接するものを地長押、窓下のものを腰長押、窓上のものを内法(うちのり)長押、その上を飛長押、上部のものを上長押という。 注③拳鼻(こぶしはな)・・・・・木鼻(きばな)の一種。木鼻は貫・肘木・虹梁の鼻(先端)に付けた装飾彫刻 注④一切経(いっさいきょう)・・・・一切の経典の意で、正しくは大蔵(だいぞう)経という
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