解説
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善光寺の正月行事は、12月1日から翌年の6月5日まで、長期間連続する一大展開行事で、善光寺の年中行事の中ではもっとも重要な役割を果たしている。 行事の中心となる主役を「堂童子(どうどうじ)」といい、その主な儀礼行事は次のとおりである。
(1)12月1日 御注連(しめ)張り (2)10日 御松ばやし (3)11日 仏名会(ぶつみょうえ) (4)12日 竃(かまど)祈祷 (5)21日 御備搗(つ)き (6)二ノ申日 御からこ搗(つ)き。御越年(ごえつねん)式 (7)28日 御煤(すす)払い (8)31日 御松立。堂童子善光寺本堂参籠(さんろう)入り (9)1月1日 御朝拝 (10)1日~3日 修正会(しゅじょうえ) (11)2日 謡い初め (12)4日 そば振る舞い (13)6日 御印文御包替。びんずる回し (14)7日 御印文頂戴(七草御判会) (15)8日 御供割り (16)10日 餅振る舞い (17)12日 若餅 (18)14日 念仏 (19)15日 東門開き。堂童子参籠終了、本堂下山 (20)16日 御印文渡し (21)17日 御仲間招き (22)下旬日 御日待ち (23)2月1日 御駒送り (24)6月5日 あやめ渡し
なお、これらの行事中、御越年式(おとしとり)の夜中の儀礼において、参会者一同が直会(なおらい)御冷酒を頂戴するとき、箸(はし)・平皿などを使用せず、素手で漬け菜(野沢菜)・生大根(角取り輪切り)を取り、手のひらにのせて食する。この様姿は日本の儀式の中で唯一古代生活形態を残し、保っているものである。 また大御膳(本尊前奉供)は古式のままの形で15日間、毎御朝事に各坊から交代で献納されている。
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