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解説
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善光寺仁王門をくぐり、約40mの地点から右へ小路を入ると、突き当たりに世尊院の釈迦堂がある。木造毘沙門天(びしゃもんてん)立像はこの釈迦堂にあって、本尊の銅造釈迦涅槃像のわきに安置されている。
本像は檜(ひのき)材の一木造りで、像高79㎝の小像である。唐様(からよう)の甲冑(かっちゅう)をつけ、左腕を曲げて掌上に舎利塔(しゃりとう)をささげ、右腕は肩の上方まで高くあげて戟(げき)杖を握る。その両足は邪鬼(じゃき)を踏まえている。 毘沙門天は北方守護の護法神であるため、武装忿怒(ふんぬ)(いきどおった相)の形をとるが、この像の面貌には激しさがない。 また、左足に重心をかけ、右足を半歩前に出して腰を後ろに引いた姿態をとっているが、両ひざを曲げることもなく、体全体にのびのびしていて穏やかである。 甲冑や裳(も)などの彫り口も浅く、藤原時代の優美な形態に表現されている。
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