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解説
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清水寺(せいすいじ)は松代から南に入った谷間の奥、六供(ろっく)地区にある真言宗の寺院である。もとは現在地の西南の十二原にあったが、数次の火災後いまの地に移ったと伝えている。現在は耐震耐火の収蔵庫内に、この像をはじめとする平安時代中期の古仏像が安置されている。 清水寺には、重要文化財の木造千手観音菩薩立像以下、平安時代初期の仏像が数多くあるが、この木造毘沙門天(びしゃもんてん)像もそのひとつである。 仏高157.3㎝、足下の邪鬼(じゃき)を含めると177㎝の大像で檜材の一木造りとしている。 甲冑(かっちゅう)をつけ、左腕のひじを曲げて掌上に宝塔をささげ、右腕もまたひじを曲げ、肩の上方高く手に三叉(さんさ)戟(げき)を握り、足の下には二夜叉(やしゃ)鬼をしっかり踏まえている。 肉取り豊かで量感に富み、脇(わき)下と裳紐(もひも)のくびれが際立って強く、腰を左後ろに引いて体を逆くの字に折った姿態は仏法守護にふさわしく、充実した力がみなぎる。ことに鰭袖(ひれそで)と称する両腕についている鰭状の袖や、右袖中ほどの渦文、両ひざの間に垂下した裳先の翻波式衣文は、時代の様式をよく示している。 江戸時代の補修時の彩色等で本来の面貌が変容しているが、制作年代は木造千手観音菩薩立像などとほぼ同時期と考えられる。四天王のうちの1体と思われる。
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