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解説
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国見の東端、富士塔(ふじのとう)登山道の分岐点に近いところにある。道路の北側にあって、バスの中からも目につくほどのこんもりした株のイチイである。 イチイは別名をアララギ・ミネゾ(中信)・トガ(北信)ともいい、その分布はサハリン(旧樺太)・千島・北海道・本州・四国・九州(高隅山まで)から、朝鮮半島・中国東北部(旧満州)・ウスリー・オホーツク地方まで広い範囲にわたる。 常緑高木で、実は美しい紅色をしており、甘味があって食べられる。皮層・葉・種子などには有毒なタキシン(Taxin)が含まれていて、薬用にされる。 材は木目が緻密で優美なため、彫刻・細工物・床柱などに多く用いられ、鉛筆材としても最優秀品とされる。また、庭園木・盆栽などにも貴ばれ、萌芽性が強く、刈り込みによく耐えることから生垣としても愛好されている。 指定木は雄木で樹高約19m、目通り周囲7m、枝張り直径約15m。樹齢は推定約700年で、樹勢も盛んである。 旧県指定を受けた名木であり、新県指定の鬼無里(きなさ)の「新井のイチイ」(目通り周囲6.5m)より大きく、市文化財として貴重である。 もとは戸隠神社中社境内の「三本杉型」と同じく、三本が正三角形に植えられて「三ッ木の栂(とが)」といわれ、その中央で護摩(ごま)をたいたというが、二本はすでになくなっている。
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