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解説
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王子塚の上にある積み上げ式宝篋(ほうきょう)印塔で、総高は154㎝。石組みの基壇をおき、二重基礎・塔身・笠部・露盤からなるが、最上部の相輪(そうりん)を失っている。 二重基礎のうち、下の基礎は反花(かえりばな)を省略して反(そ)り形とし、上の基礎は段をつけて反花をつくる。上下とも側面には輪郭を刻み、上の基礎には格狭間(こうざま)をおく。塔身の四面はそれぞれ周縁を二重の額縁状に縁取(ふちど)りして、中に尊像を半浮き彫りにしている。 また、笠部は下方を蓮華と段形で飾り、四隅に二重弧線の隅飾り突起をつける。上部は四段の段形とし、最上部に露盤をつくり出している。 宝篋印塔には関西で発達した関西式と、関東で発達した関東式のふたつの形式があり、この塔は関東式といってよい。塔身の中を刳(く)り抜き、四面に一般的な種字(しゅじ)(梵字 ぼんじ)を刻む代わりに像容を彫り出すのは例が少なく、珍しい手法をとっている。 基礎に刻まれた銘は摩滅して判読できないが、全体の形から南北朝時代後期に造立されたものと考えられる。
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