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解説
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イチイは別名アララギともいい、日本・朝鮮・中国北部・東シベリアなどに分布する東亜の植物である。日本ではこの材で笏(しゃく)を作ったので、位階の正一位・従一位などの一位からこの名がつけられたという。 指定木のイチイは、むかし信濃の国の国司、余五将軍 平維茂(たいらのこれもち)(万寿元年=1024年、80歳で没と伝えられる)が鬼女紅葉(もみじ)討伐のときこの地に宿り、駒(こま)をつないだと伝えられる老樹である。 昭和8年の長野県史跡名勝天然記念物調査報告書で「人口にかいしゃせる伝説を有する上に、稀(まれ)に見る大木なれば保護の要あり」とされ、旧県指定を受けた名木である。 その当時の計測によると、目通り周囲4.55m、高さ13mぐらいとあるが、約40年後の昭和49年の計測では目通り周囲4.30mとなっている。 幹の内部はうろになっているが、周辺は生きており、枯死した大きな枝は特に見られない。老樹のためか、ほかのものに比べて葉や実が小型である。 樹齢が1000年を経ているかどうかは疑問だが、市内の古い伝説に関係ある老樹として得難いものである。
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