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解説
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「ヒムロ」は「ヒメムロ」が変化した名でヒメ(姫)は軟弱なこと、ムロはネズ(ネズミサシ)の古名なので、「ネズに似た葉の柔らかい植物」ということになるが、正しくはサワラの園芸変種の名である。 地方によってはネズコやイブキ(別名ビャクシンまたはイブキビャクシン)もヒムロの名で呼ばれることがある。イブキは伊吹山に自生する木があったことからその名が付けられ、庭園や寺社の境内に植えられることが多い。 矢沢家のヒムロはそのイブキである。矢沢家は始祖綱頼が真田家の始祖幸隆の弟で、代々松代藩の筆頭家老を務めた家であり、この木はその邸内の名木だった。 現在のイブキは、高さがおよそ18m、目通り周囲が3.41mの大木だが、幹の中はすでにうろになって枯れた枝も多く、樹勢は衰えてきている。 しかし、このイブキは市指定文化財「矢沢家の表門」とともに松代藩の歴史を語る名木であり、また歴史的記念木でもある。
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