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解説
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ヒヨクヒバはサワラから変わった品種である。小枝が細長く伸びて垂れ下がり、樹形が美しいので庭園樹として多く用いられている。 町田家のこの木は明治の中ごろ、所有者の祖父の小学校入学記念に、庭に植えたという三本のヒヨクヒバのうちの一本である。樹高約6mのところで幹が切られたが、そこから二本の枝が伸びて、いまは10mを超え、幹囲は134㎝である。 地上1.9mのところまで張り出している九本の横枝はいずれもヒヨクヒバで、これより上に出る枝はすべてサワラに変わっている。下部はヒヨクヒバ、上部はサワラという奇形木である。いわゆる枝変わりによる先祖返りという珍しい現象だが、これに気づいたのは大正八年ごろだという。 幹はヒヨクヒバとサワラの境めがわからないほどなめらかに生長しているが、下部のヒヨクヒバより上部のサワラの方が勢いよく枝を伸ばしている。今後サワラの枝を抑えてヒヨクヒバの枝に勢いをつけ、上下のバランスよく生育させるとよいだろう。
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