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解説
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犬石地区一円の虫送り行事は、毎年七月三十一日の夜、地区の青年たちと中学生全員によって行われている。 当日の午前中、麦藁(むぎわら)で円い樽(たる)形を作り、その底に棒を二本並べ通したミコシを一丁作る。子供たちも簡単なものを数丁作ってこのミコシに袋に入れた害虫を乗せる。 夕食後、区民がみな集まり、青年と子供はミコシをかつぐ者、鉦(かね)や太鼓をたたく者、警護をする者、松明(たいまつ)をかかげる者とそれぞれ分担して、「菜ア虫送れ、乞食虫送れ」と大声で唱えながら村中をまわる。行列が村境の馬捨場へ来たところでこのミコシを焼き捨てる。
虫送りは「虫追い」、「さねもりさん」ともいい、農作物に害を及ぼす虫を駆除する行事で、春から夏にかけて行う地方が多い。素朴で、人々の基盤的な生活文化の特色を示す典型的な年中行事である。 古くは虫害は悪霊のなせるわざと考えられ、悪霊をしずめて村の外へ送り出すための行事だった。 長野市内では篠ノ井東横田でも行われている。
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