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解説
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大安寺歴代墓地の中に六基並んでいる宝篋印塔のひとつであり、基礎から笠までの高さは78㎝で相輪を失っている。 その基礎正面に十行に銘文が陰刻されており、それは次の通りである。
『宝篋印塔婆一基』 『右造立旨趣者』 『奉為』 『本寺開山雷峰』 『和尚増崇品位』 『以報法乳之恩』 『伏願門風永扇』 『至三暁也永和二年丙辰四月五』 『日小師等敬白』
銘を訓読すると、「右造立の趣旨は、本寺開山雷峰和尚の品位を増崇し、以て法乳の恩に報いんが為にし奉る。伏して願はくは、門風永く扇ぎ、三乃の暁に至らんことを」(信濃史料7-13)となる。
この石造宝篋印塔は、大安寺開山雷峰妙霖 の報恩に報い、かつその門風の盛んになることを願って、門弟が永和2年(1376)に造立したことが銘によって明らかである。 宝篋印塔としては小型であるが、造立銘が詳しく市内の石造塔類のうち、安茂里小市の称名寺石塔の観応2年(1351)に次ぐ古い銘をもつ宝篋印塔として貴重であり、ことに銘文の内容は学術的価値が高い。 (長野県指定文化財候補物件調査票より:調査者小林氏)
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