解説
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江戸時代後期作の享保雛。男雛の商標から江戸吉徳で扱った人形とわかる。寄贈者によると、これは天保12年に寄贈者の妻の曾祖母が生まれたときに購入したものとされている。その子すみ(明治28年生)が小柴見村田瀧五郎家に生まれ、七瀬村新屋敷夏目惣兵衛に嫁ぎ、すみの子こう(大正12年生)が高橋家に嫁ぐ過程で雛人形も一緒に移され、高橋家に残された。女雛の手は樹脂製で、後に差し替えられたものと思われる。また、台も後につけられたものの可能性が高いが、裏には「安茂里村小柴 天保十二年 母村田すみ生る 子供 夏目こう 高橋こう 明治六年生 親の物継ぐ」とある。
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