解説
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個人収集家の佐々木茂美氏が収集した善光寺信仰にかかわる資料群。多くの掛軸等からなるコレクションであるが、中でも特筆すべきは次の2点。
A-1 阿弥陀三尊像(善光寺式) 絹本著色 縦60.5㎝、横32.0㎝ 室町時代 善光寺の本尊、阿弥陀三尊像の姿を描いたもの。手前には月蓋長者と夫人の姿が配される。善光寺の阿弥陀三尊は、秘仏化が始まるとされる鎌倉時代以降、模刻像や画像が盛んに造られたが、画像は中世に遡るものが少なく注目される作例である。
B-2 天河弁財天曼荼羅図(紙本荼吉尼天像) 紙本着色 縦46.4㎝、横26.0㎝ 江戸時代 天河弁財天と呼ばれる三面蛇頭の姿。天河大弁財天社は吉野大峰山系の最高峰弥山の鎮守として役行者が開創したと伝わる。画面上部には弥山を中心として金峰山・大峰山とされる三山を描く。画面全体に宝珠・米俵・臼などの福徳モチーフが配される。
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