解説
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国道406号道路改良工事に先立ち、平成7~8(1995~1996)年に調査が行われました。遺跡は湯福川の扇状地と裾花川の河岸段丘が重なり合う複合地形の上にあります。地形は西が高く、東が低くなるように傾斜をしています。周辺には中世~近代の遺跡である善光寺門前町跡や縄文時代の旭町遺跡、市有形文化財「蹄脚硯」を出土した県町遺跡などがあり、古くから人々がくらす地域でした。 発掘調査した範囲は中央通りの大門町交差点の東から武井神社の前までになります。現在の地表面から3mの深さになる場所もあり、何層にも複雑に遺構が重なっていました。遺構は竪穴住居跡36軒、溝7条、土坑101基、小穴などがみつかり、弥生時代中期~古墳時代後期の集落跡と中世~近世の善光寺門前町跡であることがわかりました。出土した鎌倉時代の青磁碗は、善光寺門前が鎌倉時代から繁栄したことがわかる貴重な資料のひとつです。
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