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解説
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この像は寄木(よせぎ)造り、彩色の女神像で、像高55.4㎝。足を組んで座っているが、女神のためか普通の坐像のように両足先をあらわさず、衣の中に包んでいる。 頭には頭巾(ずきん)のような冠を戴き、髪を真ん中から分けて左右に垂らす。彫眼はややうわ目で、唇を少し開いておはぐろを施した歯をのぞかせ、能面を思わせるような下(しも)ぶくれの顔である。 右手に蓮華を持ち、着物の襟をひろげて両乳をあらわにした胸には、左手で支えるようにして裸の乳飲み子を抱く。乳のみ子は体を斜めに向け、着物の襟の縁に腰掛けるようにして両足を交差させている。ほかには見られない珍しい姿の像である。 一部に紙をはっているが、全体に胡粉(ごふん)地彩色をしており、髪と眉・目は墨彩、顔と体は肉色、唇は朱で、肩衣は紺青地に朱・金泥で雲文様を描き、衣も同様に草花を散らし書きにしている。 像内には天文12年(1543)に村上義清が造ったと記されているが、桃山時代から江戸時代にかけての像と思われる。
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