解説
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真田信弘の霊屋(たまや)は、長国寺の真田信之霊屋の南隣にある。信弘は真田家四代目の城主で、この霊屋は元文元年(1736)の信弘の死後、直ちに建てられたものである。 方三間の宝形(ほうぎょう)造り、柿葺(こけらぶき)で、縁を回し、向拝が付く。正面に桟唐戸(さんからど)をつり、ほかは縦桟の舞良戸(まいらど)はめごろしとしている。組物は出組(でぐみ)・詰組(つめぐみ)で、軒は二軒(ふたのき)の繁垂木(しげだるき)である。 装飾は頭貫(かしらぬき)と内法(うちのり)貫の間に入れた唐草の透かし彫りだけで、信之霊屋に比べるとずいぶん簡素で少ない。 内部も、梁行(はりゆき)の心に半柱を入れて内・外陣の境とし、格子戸を入れ、柱筋でないところに間仕切りを設けるなど、信之霊屋と時代的相違を示している。 現在は歴代藩夫人などの位牌が安置されている。 表門は、柿葺きの四脚門(しきゃくもん)である。
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