解説
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長国寺開山堂は松代真田家3代・真田幸道のために建てられた霊屋(たまや)である。幸道は享保12年5月(1727)死去し、その後まもなく、長国寺境内裏手の真田信之霊屋の脇に建立された。ところが、明治5年(1872)に同寺が伽藍諸堂を焼失したため、同19年(1886)本堂再建の際、この霊屋を現在の場所に移築して開山堂としたものである。 堂は方三間の宝形(ほうぎょう)造、桟瓦葺で、もと回縁(まわりえん)向拝(こうはい)付であったが、今は撤去されている。 また、この堂は信弘霊屋に先立って建てられたものだが、木鼻(きばな)の絵様(①えよう)などが、かえって劣るように見える。これは幸道の年代が、幕府の課役によって財政的にもっとも窮迫した苦難の時代であったための結果であると考えられる。
注①絵様(えよう)・・・・肘木(ひじき)などに彫った文様
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