解説
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皆神山は古くから修験道(しゅげんどう)の山として知られており、近年は松代地震でも有名になった。この山上の峯の侍従権現社の入り口にある自然の湧水(ゆうすい)池がクロサンショウウオの産卵池である。 サンショウウオ(山椒魚)科の動物で本種は比較的大きく、イモリぐらいある。本州では東北地方におり、南限は福井と岐阜の県境の越美山地・長野県諏訪山地・秩父山地・群馬県赤城山および福島県南部山地を結ぶ線だといわれている。 長野県内では北アルプスや信越国境あたりの多雪地帯の山岳地に集中している。 東信では菅平に一例あるが、松代のような標高の低い土地にいるのは珍しく、分布の南限のうえからも貴重な存在である。 クロサンショウウオは山地の湿った地上にすみ、昆虫などを食べているが、産卵期にはイモリと同じように止水性の池や水たまりに群集する。産卵期間には大きな幅があって、北陸地方の平地では二月ごろから始まり、日本アルプスの高山地帯になると七月ごろである。 卵嚢(らんのう)は紡錘形(ぼうすいけい)で大きく、ふつう30~40個の卵を収めている。この産卵池では10塊ぐらいの卵嚢が産卵される。
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